ニューストピックス 2021年5月19日

   令和3年産主食用米の生産抑制へ農水省がキャラバン

  農水省は5月13日に茨城・山形向けを皮切りに、コメの生産・集荷団体などを対象に「水田農業における需要に応じた生産・販売の推進に関する意見交換会」、いわゆる「地方キャラバン」をオンライン方式で開始している。

 茨城向けの会議では、農水省が会合の前半に「卸への聞き取りによれば、3年産茨城米の取り扱いを元年産から3割減らす意向を示している」と強調。これ以降、山形・新潟向けでも、卸へのヒアリングに基づくとして「3年産の県産米の取扱数量は◇割削減される」生々しい状況説明から会合の進行がスタートするのがパターンだ。これを受けた意見交換では、全国団体の全中・全農が「6月末まで飼料用米を中心に作付転換を積極的に進めていく」方針を回答するケースが多い。

 一方で、◎JAグループの取り組みだけでは限界がある◎低温倉庫の確保が困難◎水田リノベーション事業によって増産される加工用米の契約価格が下がって本末転倒◎販路を確保している担い手農家の生産まで削減するべきではない――などの問題点や課題も、意見交換の中から浮き彫りになってきている。

 需給均衡を図るためには、3年産主食用米の生産量を2年産の平年作換算ベースから36万㌧分(6万7000㌶)削減する必要があることが強調されている。農水省は、産地交付金など補助金の活用によって飼料用米や輸出用米などの拡大を産地にあらためて要請しているが、予断を許さない情勢にある。

 農水省は、同様なオンライン形式の産地キャラバンを新潟、千葉・青森、北海道、栃木、富山、そして6月2日開催の秋田まで産地のコメ生産・集荷関係者向けに開いていく予定にある。


 ニューストピックス 2021年3月29日

 銘柄の目視鑑定廃止/4年後から書類審査へ

 農水省は3月24日、都内で「農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会」の第7回会合を開いた。

 最も注目された「銘柄の検査方法等の見直し」案については、「近年、新品種の開発が進んでコメの品種数が増し

外観が似ている品種も多くなって目視による銘柄鑑定の困難度が増している」と課題を指摘。これに対処するため水稲うるち玄米の検査では、現在の「産地品種銘柄」や今後新たに設置する「品種銘柄」では目視による鑑定方法を改め、「農業者等から提出される種子の購入記録、栽培記録等の種類によって審査する方法に見直す」と説明した。具体的な提出書類を令和3年中に示すほか、実施時期を「4年産米から」と明示した。

 他方、都道府県内で産地品種銘柄に設定されていない場合に銘柄証明ができない現状を改めるため、全国どこでも品種名のみを証明できる「品種銘柄」を設定する。

 これらの見直しに連動して産地品種銘柄では、「目視鑑定が可能」という設定要件を廃止するほか、農産物の特性を把握するための栽培試験の期間を現行の2年から「1年」に短縮する。

 設定後、取引ニーズのない品種銘柄や産地品種銘柄については、「すみやかに廃止する」案も示した。具体的には、「1年間以上、検査実績が1㌧未満」の銘柄は、関係者の合意を得た上で問題がなければ廃止する。

 会合では、こうした案に多くの委員が賛意を示したが、森雅彦委員(日本生協連・特別商品グループマネージャー)は「農業者から提出する書類は、改正食品表示法で必要な根拠資料と同一に」と要望。栗原竜也委員(全農・米穀生産集荷対策部長)は「銘柄の間違いを目視で指摘できる場面もある。必須銘柄は目視も可能にしてはどうか」と提案した。農水省は会合で、より的確なチェック態勢に向けた情報提供と現状を踏まえた必須銘柄の目視鑑定手法の検討を回答している。


 ニューストピックス 2021年1月22日

 検査検討会で農水省が機械鑑定の新規格9項目案示す

 農水省は20日に第5回「農産物検査規格・米穀の取引に関する検討会」を開き、「機械鑑定を前提とした農産物検査規格の策定について」素案を提示した。穀粒判別器による機械測定を前提として新たな検査規格を策定するもので、現行の目視による検査規格と同列に位置づける。対象は水稲うるち玄米。検査結果は現行規格1~3等の等級ではなく、測定した数値で示す。穀粒判別器の性能確認は民間の検査機関が行うが、その態勢が整うまで3~5年程度は国が行う方針にある。

  新たに設定する検査規格は、①容積重②水分③白未熟粒④死米⑤着色粒⑥胴割粒⑦砕粒⑧異種穀粒⑨異物――の9項目。異種穀粒など機械測定が困難な項目は、目視による鑑定も行う。基本的には9項目すべてを証明する方針だ。技術的な課題を克服するため、専門家による「機会鑑定に係る技術検討チーム」を設置して令和3年以内に検討し、その結果を踏まえて農産物規格規定の改正を行う。

  一方で検査結果は令和3年産から、現行の検査も含めて検査証明書に文字で記載されるだけでなく、農水省の共通申請システムを活用してID番号、QRコード、ICタグからスマホなどの端末で証明事項を表示・活用できるようにする。さらに5年産からは、農業データ連携基盤を活用してコメ卸などが検査結果を確認できる仕組みを構築する計画だ。

  第5回会合では、このほかサンプリング方法の見直し、スマートフードチェーンとこれを活用したJAS規格の制定についても農水省案が提示され、意見交換を通じて委員からはおおむねの賛同を得た。農水省は2月予定の次回会合で留意事項を検討し、結論を得たい考えにある。


  ニューストピックス 2020年12月26日

  神明HDがSBI事業承継ファンドで浜松米穀に投資

 ㈱神明ホールディングス(藤尾益雄社長、神戸市中央区)はこのほど、事業承継ファンドを通じて静岡のコメ卸・浜松米穀㈱(川村眞一社長、浜松市中区、資本金1億円、昭和26年設立)に投資を行った。今後は浜松米穀の現経営陣をサポートし、両社が有する調達力、販売力、製造拠点、グループ商材を活用するとともに、課題を補完し合う態勢を構築して事業展開の強化を図る。浜松米穀の現経営陣は全員留任するが、営業強化を目的として神明HDから1名の社外取締役を派遣。浜松米穀の課題だった人材不足を補う形で協力関係の構築を目指す。浜松米穀は全国銘柄の調達を強化する。また両社は、物流網や新商品開発の面でも協力していく。

  神明HDはかねてより、大手スーパーなどのバイイングパワーで価格決定権が握られるなどコメ供給サイドが厳しい立場に置かれている現状への対抗策として、業界再編を模索してきた。ただし神明HD自体が多方面に進出するだけでなく、「地方のコメ卸にもその地域で築いてきた信用などの財産、強みがある」(藤尾社長)として今年6月、中小コメ卸などの事業者を支援するSBI事業承継ファンドに出資していた。今回の出資はその第1号案件となる。ファンド名称は「SBI地域事業承継投資1号投資事業有限責任組合」で、ファンド規模は100億円以上。


 ニューストピックス 2020年12月1日

 中食業界が農相に面会し、米価への政治介入排除を要請

 炊飯炊飯事業を行う米飯ベンダーを中心とする中食団体などの組織・国 産米使用推進団体協議会(平井浩一郎会長=日本惣菜協会会長)の代表者は先ごろ、野上浩太郎農相と面会し、コメ需給と米価形成、複数年契約、飼料用米政策などに関する要望書を手渡した。面会したのは平井会長のほか、日本炊飯協会の坂田文男会長と福田耕作顧問、日本べんとう振興協会の石原葵会長、㈱加工用米取引センターの佐藤孝社長。

 要望書では要望書では、農家所得倍増を掲げた「政治誘導によって概算金が5年間で50%(約4,317円)上昇した」と指摘し、米価の形成に政治が介入しないよう強く求めた。大幅な消費減退を招く高米価政策を批判したほか、民間取引価格との乖離が大きくなっている複数年契約に関しても問題点を突き、「勝手に高く設定した現行の相対価格では契約できない」と主張した。また飼料用米に関しては、主食用米へのコンタミを避けるよう専用品種の生産は団地化を義務づけるよう求めた。米価維持のために行う2年産20万㌧の市場隔離(先送り販売)にも踏み込み、「JAグループなどに金倉助成を行うと聞くが、コメ卸にも事前契約を促した農水省の責任として相応に補填すべき」と要請している。


 ニュース トピックス  2020年11月20日 

 農水省がコメの販売促進緊急対策で問い合わせ対応

 コロナ禍の影響による需要の減少も受けて需給が大幅に緩和したコメについて農水省は本紙既報の通り、国産農林水産物等販売促進緊急対策に中食・外食向けのコメを追加して支援を行うことを決めた。対象品目の数量などに関する事前確認書類の提出期限は対策のうち①「インターネット販売推進事業」が12月8日、「地域の創意による販売促進事業」が11月26日。①は事業の特設サイト

https://www.ec-hanbai-suishin.jp/about/#target)への商品登録期限は12月11日、②の事業実施主体・博報堂(事業の特設サイト=https://chiikinosoui.jp/)への課題提案書の提出期限が11月30日となっている。また同省農産企画課による問い合わせ対応は11月21日(土)、同22日(日)、同23日(月)の各10~17時にも行われる。同課米穀需給班のEメールは「hansoku@maff.go.jp」。


ニュース トピックス 2020年9月25日

 主要産地品種の概算金600~1,000円下げ主流

 2年産JA概算金(集荷価格)の設定が東北を含む主要産地で出揃った。全農新潟がコシのJA仮渡し価格を前年から一律で900円引き下げ、関東コシも800~1,000円安の1万2,000~2,500円設定で追随。北海道はゆめぴりかを据え置きとしたほか、ななつぼしが300円、きららが400円の下げに抑えられたが、東北コシ・こまち・ひとめはおおむね600~800円安の1万2,100~2,600円に下方修正された。青森つがるロマンは1万1,600円、同まっしぐらが1万1,400円にそれぞれ800円下げ。関東産B銘柄についても、1万1,000~1,600円水準に1,000円の引き下げで足並みが揃っている。


スポットニュース2020年9月 

 要産地品種の概算金600~1,000円下げ主流

2年産JA概算金(集荷価格)の設定が東北を含む主要産地で出揃った。全農新潟がコシのJA仮渡し価格を前年から一律で900円引き下げ、関東コシも800~1,000円安の1万2,000~2,500円設定で追随。北海道はゆめぴりかを据え置きとしたほか、ななつぼしが300円、きららが400円の下げに抑えられたが、東北コシ・こまち・ひとめはおおむね600~800円安の1万2,100~2,600円に下方修正された。青森つがるロマンは1万1,600円、同まっしぐらが1万1,400円にそれぞれ800円下げ。関東産B銘柄についても、1万1,000~1,600円水準に1,000円の引き下げで足並みが揃っている


スポットニュース2020年8月 

 主要産地のコシJA概算金据え置き~1,000円下げ

主要産地のコシJA概算金据え置き~1,000円下げ2年産JA概算金(集荷価格)が主要産地で相次いで決定している。全農新潟はコシのJA仮渡し価格を前年から一律で900円引き下げて一般1万4,000円、魚沼1万6,500円に。新之助は1,800円下げて1万5,200円に設定した。全農富山はB銘柄の概算金を200円下げる一方、コシは1万3,000円、富富富は1万4,500円の据え置きに。県域合併のJA福井県はコシの生産者に支払う内金を1万3,200円に据え置き、B銘柄は300円引き下げている。一方、千葉のA農協による生産者概算金はコシ1万2,000円(前年比1,000円安)、ふさおとめ・あきたこまち1万1,100円(1,300円安)、ふさこがね・ひとめぼれ1万0,600円(1,500円安)、粒すけ1万1,000円の設定。買取価格の設定は、各単位農協によってコシ1万2,800円、ふさおとめ・こまち1万2,600~700円、ひとめ1万2,500~600円、ふさこがね1万2,300円水準で、前年同期比で1,000~1,400円の下げ修正となっている。


スポットニュース2020年6月 

 2年産うるち米の検査対象は869銘柄に45銘柄増加

 農水省は先ごろ、令和2年産米の産地品種銘柄を公表した。水稲うるち米は前年産から45銘柄増加して869銘柄に。農研機構育成の「つきあかり」が岩手・宮城・福島・千葉・福井・兵庫・広島の7県、「ちほみのり」が岩手・宮城・山形・兵庫の4県でそれぞれ新たに設定された。「つやきらり」「縁結び」「とよめき」は3県、「きぬむすめ」「ゆみあずさ」が2県で設定。名称が「福、笑い」に決まった「福島40号」のほか、千葉「粒すけ」、三重「なついろ」など各地の独自育成品種も続々と検査対象銘柄に加わっている。なお、水稲もち米は2銘柄増の134銘柄、醸造用は3銘柄増の226銘柄に。全体では新規56銘柄、名称変更1銘柄、廃止6銘柄となり、総計は50銘柄増えて1,229銘柄となっている(道府県別の必須銘柄・選択銘柄一覧は水稲うるち米・水稲もち米・醸造用別に(本紙4月6日号・9日号・13日号で掲載)。


スポットニュース2020年3月  

 ヤマタネ「チーム萌えみのり」10周年、2年産の産地連携1万1,500㌧へ

  東京の大手コメ卸・㈱ヤマタネ(山﨑元裕社長、江東区)は先ごろ、宮城県栗原市内で第8回「萌えみのり栽培コンテスト」を開催した。岩手、宮城、秋田、山形、福島の提携先JA・生産者など約190人が参集。開始から10周年を迎えた産地連携の取り組みや課題を総括しながら、「チーム萌えみのりとして知恵と経験を研修して環境の変化に対応していく」(山﨑社長)方針を確認した。産地連携による元年産萌えみのりの取扱数量は約9,000㌧で、計画を若干下回った。2年産は1万1,500㌧の取り扱いを目指している。なお栽培コンテストでは食味・収量・品質・直播の4部門ごとに上位3人が表彰され、整粒値・食味測定値・収量の3点評価で最高得点となった高橋茂氏(JA秋田ふるさと)に最優秀賞が贈られた。